Archerの春秋

英語の翻訳や格闘ゲームをする人が、中国古典について書いています。

私版・今だから読みたい10冊

 便乗させていただく。ただし管理人のキャパが低いため10冊でご寛恕ください。



古代中国 (講談社学術文庫)

古代中国 (講談社学術文庫)

 講談社「中国の歴史」シリーズは今世紀初頭に新シリーズが出たが、殷周の巻はあれこれ言われているように独自の見解で初学者にはおススメできないので、旧版を推す。今世紀に入ってからの出土史料発掘とその研究のおかげで首肯できない部分もあるが、それでも先秦史がコンパクトにまとまっていて基礎的理解に資する一冊である。


魏晋南北朝 (講談社学術文庫)

魏晋南北朝 (講談社学術文庫)

 こちらも旧版「中国の歴史」。新版は「三国志」に偏りすぎている感があるので、魏晋の概説書としてはこちらを推す。


隋唐世界帝国の形成 (講談社学術文庫)

隋唐世界帝国の形成 (講談社学術文庫)

 後漢から中唐までを、貴族制の発展と中世社会の変容を中心に据えて描き出す概説書。上掲の川勝『魏晋南北朝』とあわせて読みたい


中国通史 問題史としてみる (講談社学術文庫)

中国通史 問題史としてみる (講談社学術文庫)

 前近代の中国史を総ざらいした通史。先学の研究成果に依りつつ、要点を抑えているので手頃な入門書として良い。学術書には珍しく、「です・ます」調で書いてあるのも特徴。


中国古代の文化 (講談社学術文庫)

中国古代の文化 (講談社学術文庫)

 死後、様々な角度での再評価が進んでいる白川静。古代中国の入門書というよりも、「白川ワールド」の入門書として読むべき一冊。


科挙の話―試験制度と文人官僚 (講談社学術文庫)

科挙の話―試験制度と文人官僚 (講談社学術文庫)

 唐から宋の科挙について概説。科挙といえば宮崎市定の著作が真っ先に想起されるが、こちらも読んでおきたい。絶版なのが惜しい。


永楽帝――華夷秩序の完成 (講談社学術文庫)

永楽帝――華夷秩序の完成 (講談社学術文庫)

 「世界史リブレット人」の荷見守義『永楽帝』と読み比べてみるのをおススメしたい。


三国志演義 (一) (講談社学術文庫)

三国志演義 (一) (講談社学術文庫)

 「演義では…」「正史では…」と三国志を語る人も意外と読んでいない『演義*1


江戸開幕 (講談社学術文庫)

江戸開幕 (講談社学術文庫)

 あとがきによると現在でも大学の講義で種本として使われているらしい。家康から家光までの三代を内政から外交まで幅広くカバーしており、江戸幕府初期の動向を知るには最適。


 日本における近代史学の歩みをたどるのに便利な一冊。政治・天皇と史学の関係といったテーマなどは、遠い過去の話ではなく今後も形を変えて続いていく問題だろう。

*1:管理人を含む